「週刊COMPASS」第127号

小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、髑髏ではなくて躑躅です。

人の役に立つ。

最も身近にいた先輩編集者のことです。90を過ぎていました。担当した作家のことを訊きたいとその作家の研究者から連絡があったとき、にこやかじゃないところは普段と変わりありませんでしたが、満更でもなさそうでした。キャリアと、長生きしているが故に昔のことを話せるので訊きにくる人がいるのは当然だろうと思いましたが、本人の意識は違うのですね。当然などとは思わずに、人の役に立てるのがただ嬉しいようでした。

「85を過ぎたら厄介者だ」と言っていた人です。

だからなんだと思います。人の役に立てるのは、「厄介者」ではないと思えるからなのでしょう。

究極?の例えばです。心身鍛錬が趣味だと公言する者にとって人の世話になる日常生活はあまり想像したくないことですが、もしそうなったとき、車椅子を押してくれる人に、「あのじいさん、なんかおもしろいよね」と言われたいと切望します。特に、来週13日発売の、藤岡陽子さんの書下ろし長編小説「僕たちは我慢している」に登場する彼らのような高校生には。

そして、その彼らの奮闘は、老若男女問わず読者のこれからの人生に役立つと確信します。

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「エンタメ」呼称故に忘れられている、小説の大きな役割について書きました。

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