小説専門の出版社COMPASSを始めます。
皆様が一番ご存知のことですが、小説はごく一部のものしか売れていません。
そんな中での船出には「小説復興 文藝復興」という大きな夢があります。
ですが、決して高邁な絵空事などではありません。
小説を読まない多くの人達に、小説は誤解されています。
それには「呼称」が随分影響していると思います。あまりにも乱暴なたった二つの括り、
「純文学」と「エンターテインメント」(エンタメ)。
その二つの垣根はなくなったなどと言われますが、厳存します。年二回の誰もが知る
二つの文学賞が、それぞれの象徴として認識されているからです。文芸誌掲載から
単行本になるのが激減しているので、ほとんどの小説が十把一絡げにエンタメと
括られてしまっています。エンタメが小説の代名詞のような現状です。
その呼称は80年代のミステリー全盛の時代から、
「大衆小説」、「中間小説」に代わって言われ始めました。
その80年代は、83年に東京ディズニーランドが開園しファミコンも発売された時代で、
エンターテインメントの数は限られていました。
その当時と比べると、ネット社会の現在はエンタメの氾濫とも言えます。
小説を読むのは、たった一人で一字一句を追っていく孤独で能動的な行為です。
それも同じエンタメなら、もっと受動的で楽なものがいくらでもある
と考えるのが大方ではないでしょうか。
小説に対する考えを併せてぜひお読みください。
第一弾は、藤岡陽子さんです。
藤岡さんは「とても苦しくて辛い高校時代」に小説に救われたご経験があります。
藤岡さんに生きる力を与えたのが小説です。
藤岡さんはそのことを根底に、小説を書かれています。
藤岡さんの作品いずれにも共通の読後感があります。
感動とともに、生きているって、人間っていいなという熱い思いが込み上げてきます。
「僕たちは我慢している」は、デビュー作『いつまでも白い羽根』から私が担当する八作目の作品です。
藤岡さんのニ十一作目になる本作品は、ページを捲らせる力も、読後の感動も
現在までの作品の頂点に立ちます。
お読みくだされば、小説に対する考え通りの作品だと思っていただけると確信します。
「小説復興」の仲間になってください。
ご検討いただくためのゲラなどをお送りいたします。
低正味の直取引です。買い切りでお願いします。