藤岡陽子の、生きる力が湧上がる感動の長編
「僕たちは我慢している」
小説復興の出版社・ COMPASS 出帆第一弾!
人生の第一関門に挑む高校男子の三年間。そして、その二年後は……。
都内の中高一貫男子校、征和学院高校。御三家と言われる中でも筆頭に挙げられる。
小学一年の時に野球を始めた千原道人は中学も野球部に入り高校三年の春まで
全うするつもりでいたが、中学三年の夏を最後に引退していた。
高校では受験に専念しようとしたが、中小企業を営む父の病気が再発した。
彼はその肝心の父にも言わずにある人物に会いに行く……。
穂高英信は高校でも野球を続けていたが成績が芳しくなく今のままでは医学部受験は
無理だと、総合病院三代目の父から部活をやめるように言われる。
彼は、二つ下の成績優秀な弟・真宙が跡を継げばいいと考えたが……。
中森揮一は中学から野球を始め、高校では道人がいなくなった後エースになっている。
三年生ただひとり夏の大会まで続けたが、予選敗退後に引退。周回遅れの受験勉強に
全く身が入らない彼は母親が申し込んだ予備校の夏期講習で、同じ学校に通う
中一から現在まで学年トップの「お不動様」こと香坂淳平と顔を合わせた。
なんとこの夏休みに旅に出ると言う彼に興味を引かれる……。
それぞれに容易ならざる事情を抱える彼等の三年間、その軌跡と到達点は……。
2025年4月発売予定・価格未定