小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、久々の鳶です。
人を神様のように思ったことがあります。
20年ぐらい前のことです。若洲から三浦半島経由で東京に帰るとき、カートップに取り付けたキャリアが外れなくなりました。日曜日の夜です。明早朝から、小中の子どもたちのを含めた週日が始まります。
キャリアが外れないと、カーポートにクルマを入れられないため、東京に帰れません。
ガソリンスタンドを二軒回りましたが、うちでは無理ですねと言われました。
クルマはそのメーカーではありませんが、世界第一位のディーラーに、断られるとは思いながらも恥を忍んでクルマを入れました。
出てきた方はすぐに道具を取りに戻って外すべく試みてくれましたが、外れません。そこで、その方が言われた言葉を忘れることができません。
「外れないと、困るんですよね」
結局外してくれました。少なからずの時間を割いて、費用も取らずに。
感動しました。
見習わなくてはならないと心に決めました。自分の分野ではプロフェッショナルにならねばとも思いました。
藤岡陽子さんの書下ろし長編小説「僕たちは我慢している」(5月13日発売)。
その主要登場人物である、先週号に書いたのは淳平君で、高校生ですが、同じタイプの人間です。人の気持ちにとことん寄り添える人間。そのための力も付けています。
人間が最も感動するのは、人間の〇〇性です。敢えて言い切ります。
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「エンタメ」呼称故に忘れられている、小説の大きな役割について書きました。
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