小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、カバー絵の全体です。
「誇らしくて、胸がはち切れそうで、でも大きすぎる喜びを表現する言葉を持たず、その場でぴょんぴょん飛び上がった。」
小学三年、九歳のときの中森揮一です。小学一年の四月から三年の二月に塾通いを始めるまで、通信教材を続けました。解答用紙を送り返すともらえる五枚の金色シールを、途中の枚数によってノート、鉛筆削り、カバンなどの景品には換えずに、三年間ひと月も欠かさず提出して最大限の百八十枚集めてゲーム機を手にしたときの様子です。
前に書きました、フランスの哲学者・アランの「ロープウェイで山に登った人は、登山家と同じ太陽を見ることはできない」。それに倣ってのオリジナル?「定期船で島に渡った人は、ヨット乗りと同じ魚を味わうことはできない」。
夏場に喉が渇いても仕事後のビールを美味しく飲むために日中の水分を我慢していたことがあります。身体に良くないし、ちょっと次元が違いますね。
達成感の喜びを幼少期に知った揮一は、どのような高校生になっているでしょうか……。
5月13日発売予定の小社第一弾・藤岡陽子さんの書下ろし長編小説「僕たちは我慢している」、ご予約いただけます。「著者からのメッセージ」を入れました。
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