「週刊COMPASS」第110号

小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、書き味が筆のように滑らかになるペン先に調整してもらった森山モデルです。

「いい万年筆を買いなさい」

文藝編集者の仕事は、作家への手紙を書くことから始まるとも言えます。

作品を読んで、この人の本を作りたいと思ったら、手紙を書きます。ラブレターに似ているかもしれません。断られたら、全人格を否定されたような気持ちになります。「失恋」の苦しみを味わいたくないから手紙を書かない人もいるようです。大手の出版社なら、先輩からの担当引き継ぎを重ねることでそれも可能です。新規開拓ゼロの人。

いい万年筆は大体高価です。コレクターでなければ、高価なものを買ったら使わなきゃ勿体ないと思うのが人情です。編集者と作家とのマッチングアプリなどは存在しません。冒頭に掲げたのは、最も身近にいた先輩編集者の言葉です。

何事においても、思いを行動に移すのはリスクを伴います。 そのリスクを回避する者には、肉体と言うステージ衣装をわざわざ纏って地上に立つた醍醐味を味わうことは叶わないでしょう。本拠地に戻ってから、もう一回と言うことになるんだろうと思います。それが宇宙の法則ではないかと。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です