「週刊COMPASS」第106号

「僕の人生は僕だけのものじゃない」

新聞の記事ですが、読み直してしまいました。間違いなくそう書いてありました。

進路を取り沙汰されている大学生が取材に答えての発言です。その前後の言葉は、「両親の意見も聞きながら~自分だけでは決めたくない」とあります。

話題になっている人の発言はSNSではどうだこうだとすぐにネットに取り上げられますが、この発言に関してはその形跡はないようです。ほとんど違和感を持たれなかったということでしょうか……。

彼には何故プロからの指名が皆無だったのか。

目利きの彼らには、彼の「意識・思い」の強さが感じられなかったからではないのか。恵まれた才能を生かすも殺すもその者の意識・思いの強さであることを、彼らは経験から十分に知り尽くしているではないか。

藤岡陽子さんの書下ろし長編小説「僕たちは我慢している」(2025年4月8日発売予定)。悩める高校生が尊敬する年長者から件の彼の発言とは真逆のことを言われて、救われます。

その高校生には、何よりも強い思いがあります。

人間の確たる存在とは、意識、思いそのものなのではないでしょうか。

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