小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、「今日から11月」ではなく「現在の温度」です。
違和感。居心地の悪さ。
1984年に小説の編集・出版の世界に入りました。ミステリーブームと言われ、今とは違って小説が売れていました。「長者番付」というのがあって、各分野毎の納税額が発表され、作家別ベスト10に入る人も担当しました。
最初は作家に一対一で会うことはありません。上司や他の編集部の人間が一緒だったり、各社の担当者が一堂に会してだったりで。
それが居心地悪くて、自分だけが違う世界の人間ではないかという違和感がありました。馴染めないという。
差しで会うよになってからは、その居心地の悪さも違和感も霧消しました。居心地が良くなったというのではなく、心地よい緊張感に代わりました。
初めての「世界」に入ると、大方馴染もうとするのではないでしょうか。その「世界」はそこの住人ならだれにとっても寸分違わず決まった「世界」があるのだと勘違いして。
そんな「世界」は根も葉もない幻想です。
自分の、文芸の世界で言えば作家とともにですから、自分たちの世界を新たに作ればいいのです。その「世界」を作るのが難しいと言われるかもしれませんが、簡単なことです。その世界の大義に従えばいいだけです。
これも文芸界のことを例にしてですが、正しいことは一つしかありません。読者にとっても作家にとっても編集者にとっても同じことです。
優れた小説を目指すだけです。
追記 敗軍の将は、その「世界」を確とお持ちのように9月27日までは振舞っていましたが、そんなもの何もなかったようですね。
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