小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、干支のせいなのか飛ぶ夢を見ることがありますが正に鶏が羽ばたくように地上から僅かに上がるだけです。
父親と母親の考えが対立します。
高校二年の穂高英信は四代目として、総合病院の継承を期待されています。中学一年で出会った野球に魅せられた彼は、中高一貫であったこともあり現在まで部活に打込んできました。
模試の結果を知った父に、「もう高二の十一月なんだ。大学受験の共通テストまで一年三か月しかないのになにをのんびりしてるんだ、自覚を持ちなさい~部活はもう辞めるんだ。明日退部届を出してきなさい」と言われます。
その後母親、本人と3人のやり取りが数ページに亘り、母親が言います。
「こんなに部活を頑張ってるなら、続けさせてあげようよ。この子、野球が大好きなんだから。夢中になれることに出合えるって、すごく素敵じゃない」 対して父親は、
「プロ野球選手になるならまだしも、勉強をおろそかにしてまで続ける価値があるのか~」
これに対して、母親は呆れたように猛反発の言葉を吐きます。夕食時でしたが、医者でもある彼女は「宿直」だと言って病院に戻ってしまいました。
その母親の言葉に、英信は泣きそうになります。私も原稿を読みながら、彼と同じでした。
父親と同じように考える人が大多数でしょうか。母親なら分かるのか。慧眼なら分かるのか……。
小社出帆第一弾、藤岡陽子さんの書下ろし長編小説「僕たちは我慢している」の予告でした。
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