「週刊COMPASS」第76号

小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、家の片付けは大変です。

そのほとんどは、10年前に亡くなった父が遺していったものです。2000年の『「捨てる!」技術』から2009年の「断捨離」、2010年の「こんまり」ブームへとつながっていきますが、父はそんなの見向きもしなかったようです。何から何まで、多分、一切合切捨てずにあります。

「断捨離」と同じ年に「終活」なる言葉も生まれたようですが、「捨てる」はその一環でもあるでしょう。その終活と思しきことも何もしていなかったと思います。

ただ、そのままにしていったものはすべて項目別になっていて、タイトルも書かれています。

その中に、「文壇の重要資料」と書かれたものがあります。

父が特に敬愛していた門弟の多さが謳われる文壇の大御所宛の、川端康成と並び称される作家の原稿用紙二十三枚にわたる「謝罪状」がありました。貪り読みました。

調べてみると、父は文学史上の誤認を質すべく「群像」に掲載を考えたようですが、その大御所の未亡人が、その作家の遺族が好ましくは思わないでしょうと言われてやめたようです。

片付かないです。

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