小説復興・文藝復興を真剣に目指しています。
人の気持ちに想像が及ばない自分勝手な人間の言説など、聞きたいと思う人はいないでしょう。
小説は、真っ当な人間しか登場しなかったら成り立ちません。成り立っても、おもしろくないでしょう。最近そこそこ評判になっている小説を読みましたが、まったく感心しませんでした。上述の、話しなど聞きたくない人たちの登場場面が少なくなく、その人たちがいけしゃあしゃあと御託を並べます。著者はもちろんのこと、敢えておかしなことを喋らせているのです。物語を作るために。でも聞きたくないし、おもしろくない。
今月発売の小説誌に掲載のある短編を読みました。感動しました。自分勝手な俗物と思しき人間が存在する作品ですが、登場はしません。他の、こちらは魅力的な登場人物の話しから、読者はその俗物へのイマジネーションが働くのです。
優れた小説は、読者の想像力を有効活用します。それが心地よいのです。
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