「週刊COMPASS」第61号

小説復興・文藝復興を真剣に目指しています。

「君の悩みなんか、家族と家を失った人たちに比べれば大したことないじゃないか」

言われた者は、それはそうだとは思っても、気が晴れるものではありません。

それで気が晴れるようだったら、ちょっと考え物です。人間は、人と比べて生きているわけではありません。夫々がそれぞれの人生を生きています。

「八方塞がり」と思う本人にとって、救われるまでには至らないにしても、心が少しでも楽になるにはどんなことがあるでしょうか。

望遠レンズになっているのを引いていって、広角レンズにして、モニターに自分自身も映すことができたら、心持ちは随分違うように思います。

視界が拡がるのと客観視とはほとんど同義でしょう。モニターに自分自身を映り込ませるのは、イマジネーションの働きでしょう。

客観視が培われ、イマジネーションが働く優れた小説は、やはり精神実用です。

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