暗澹たる思いです。
去年2月の末以上のため息かもしれません。双方合わせてと伝えられる死者の数。想像できません。それだけの、一人ひとりの、自分と同じ人間の死を。自然災害ではありません。同じ人間の手によるものです。
この国の現在はどうなのでしょう。
唯一の被爆国。戦争が終わって78年、嫌戦の意識に微塵の揺らぎもないのでしょうか。
「この国」とは言っても国土以外に実体があるわけではありません。人の意識によって成り立っています。
人の意識をより良い方向に変えるのは、経験と感動です。経験とは言っても、戦争の経験だけはまっぴらごめんです。
現役の看護師でもある藤岡陽子さんの『晴れたらいいね』。
戦争を確と描きながらも、それこそ暗澹たるものではありません。
優れた小説は読者を選びません。一人でも多くの人に戦争を疑似体験して、文学的感動を味わってほしいです。今こそ。
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