小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、初代帆船日本丸の舵輪です。
今の世の中、自分自身とじっくり向き合う時間はなかなか持てないものです。
ネットの普及によってちょっとした刺激には充ち満ちています。
スマホを見る頻度はかなり高いのではないでしょうか。疑問に思うこと、知らないことはすぐにネットで検索できます。
それなりの回答が得られて、そこで満足してしまうことも少なくありません。
人間だけに与えらている想像力の出番がなくなってその貴重な能力が退化するのは、それこそ想像するだに恐ろしいことです。
小説と言うのは謂わば鏡で、読者の想像力が働くことによって自分自身が映し出されます。その鏡がひと際鮮やかに読者を映すのは、主人公が苦難に見舞われたときです。
生身の苦難に真正面から向き合うのは相当な覚悟が要りますが、読者と言う安全地帯からの「苦難」は胸躍り、味わい、咀嚼することができます。
自分自身とじっくり向き合える得難い体験です。
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