「週刊COMPASS」第39号

小説復興・文藝復興を真剣に目指しています。

ネットの普及でちょっとした刺激に充ち満ちている現在、人はより面白いもの、さらにその先の感動を求めているのかもしれませんが僅かな辛抱も厭います。

「ロープウェイで山に登った人は、登山家と同じ太陽を見ることはできない」と言う哲学者・アランの言葉があります。

プロセスなくしての感動はあり得ない、と解釈できます。

小説を読むことは、一字一句をたった一人で追っていく能動的かつ孤独な行為です。

映像、音声、文字は情報量の多い順番です。

文字を追っていくと、情報量が少ない分、想像力が働きます。

優れた小説には、苦しい山登りとは違って胸躍り、想像力をフル稼働させた後に文学的感動が控えています。

生きる力が漲るその感動は一生ものです。経験(疑似体験)と感動が人を変えます。

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