小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、束の間の「緑の海」。
自慢話でしょうか。
真夏に思い出す光景があります。蒼い星に降り立って味わった一番の醍醐味だったと言っていいかもしれません。
社会に出た翌年に、大学ヨット部の仲間と26フィートのオーシャンクルーザーを新艇で購入しました。初代「シエラザード」。オーシャンクルーザーとは、帆走が主動力のあらゆる海象に対応できるとされているものです。世界一周だってできます。知識と技量が伴えば。
セブンアイランズの一つで、最近は天体観測で有名なゴッズアイランドからの復路、ニューアイランドの波が返る白砂のフロントビーチ沖をランニングでセーリングしているときの光景です。
梅雨明けから一週間、日本列島に張り出した太平洋高気圧が最も安定する8月上旬。目指すは22海里のビッグアイランド、コンパス方位28度。快晴。南の順風。
蒼い星を独り占めしているという高揚感は引き波のように続きました。
それから45年。
出版社の仕事が十分に肉体労働であることも初めて知りました。ティラー(舵棒)を握っていた手でカートを引いています。手塩にかけた『僕たちは我慢している』(藤岡陽子さんの書下ろし長編小説)の注文を毎日いただいて、自ら出荷できるに勝る喜びを知りません。
地上に立っての一等だと思う醍醐味を更新しています。
*「セブンアイランズ」は一般的には「伊豆七島」です。同様に他はお分かりになるかと。
讀賣新聞文化面に取り上げていただきました。
佐藤亮子さんに推薦していただきました。

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