「週刊COMPASS」第88号

小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、ホームページ用の写真を二百枚ほど撮ってこれに決めようと思います。

記憶が肉体的な苦痛・不快感と相俟って鮮明なことがありませんか。無案内な旅先で長時間歩いてあの時はほんとに暑かったとか、寒かったとか。でも、思い出としては決して不快なものではありません。確かな記憶として、懐かしく思い出されます。ちょうど良い季節だったら、そんなに鮮やかに記憶されていたのだろうかと思います。

片や過去の精神的な苦痛はどうでしょか。こちらは、真っ二つに分かれませんか。笑顔になれるものと、思い出すのも嫌なものに。

前者は、問題は解決されているのでしょう。後者は、問題を解決していないのでしょう。問題に正対せずに忘れようとしているのか、逃げているのか。

小説を読む醍醐味は、苦難の疑似体験です。古今東西の名作に、この例外はありません。じっくり苦難に向き合えます。苦難を咀嚼し、味わい尽くせます。すぐに身になるなどとは申しませんが、向き合わないよりは、読む苦難のほうがはるかに価値があります。

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