小説復興・文藝復興を真剣に目指しています。
藤岡陽子さんの『リラの花咲くけものみち』が第45回「吉川英治文学新人賞」を受賞しました。
選考委員を代表した大沢在昌さんの講評に、「いい小説」という言葉がありました。
藤岡さんの小説は18年前の応募原稿からすべて読んでいますが、「いい小説」は受賞作に限らずすべてに当てはまります。
「いい小説」……小説だからおもしろいのは当たり前。読み終わった後に、それこそいいものを読んだなと感動が残る。
人間っていいな、生きているっていいなと、今までの同じ景色にひとすじの光が当たったようで前向きになれる……。
「いい小説」へのイメージは、大方そのようなものではないでしょうか。
「エンタメ」のイメージはどうでしょうか……。
藤岡陽子さんの小説は、エンターテインメント性は十分にありますが、「コンパス」です。
人間、自分の人生から知り得ることなど限られています。小説という他人の物語は、胸躍る羅針盤COMPASSです。優れた小説は、人生の道しるべになります。
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