「週刊COMPASS」第170号

小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、「週刊誌」なので大きな出来事を無視するわけにはいきません。

「地球は問題のある人間だけが集められた星である」

一世を風靡したと言ってもいい歌手で俳優だった人が、かつて発言した言葉です。

二十台の頃に聞いてよく覚えていますが、現在は非常に腑に落ちます。真実を言い当てているかもしれません

「問題」の差は随分あって、野蛮人から限りなく聖人に近い人間まで千差万別ですが、とにかく地球には完璧な人間はただの一人もいないということだと、現在勝手に解釈しています。

ものを徹底的に磨くには、ワイヤーブラシのようなものから、液体やペースト状のコンパウンドまで、数多くあります。

人間は、濃淡はあっても他者との関係において存在しています。ワイヤーブラシのような人間からコンパウンドのような人間までが言わばひしめき合う中で、人間は磨かれていきます。

類は友を呼ぶで、十分に磨かれてきた人間の周囲にはコンパウンドな人間だけになって、摩擦・抵抗もほとんどなくなり、一層の磨きがかかります。最後の仕上げで、お努めの終わりが近いかもしれません。

ワイヤーブラシな人間は摩擦・抵抗が大きすぎて集えないのに、なぜか多くの人に影響を及ぼす地位に就いてしまうようです。彼らは地上をこの先もまだまだ離れられないでしょう。

先週号にも付言しましたが、永遠の命が大前提です。

優れた小説は、磨き抜かれた鏡です。読む者をこれでもかというほどに映し出します。 藤岡陽子さんの書下ろし長編小説『僕たちは我慢している』(COMPASS)。

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