小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、午後には南風が落ちて静かな昨夕景です。
「地道に普通に生きる人」 小社刊『僕たちは我慢している』の著者・藤岡陽子さんとのメールのやりとりに、藤岡さんの、この言葉がありました。
二十年前のことです。小説の編集者として20年仕事をしてきて、現在までのところ一番だと思える作品を担当することが出来ました。身近に最も影響を受けた元文藝編集者がいて、その人が胃癌の手術を受けたのも同じ時期です。
現役を離れても、その人が読んだものには必ず鉛筆書きがあることを知っていました。その人が亡くなったらと思うと、「一番だと思える作品」をその人が読んだらどのような感想を持つのか、どんなところにチェックを入れるのかを無性に知りたくなりました。それが叶えられなかったら後悔するだろうと、焦燥感に駆られるようにして、読んでほしいと入院先の病室に本を持参しました。
数日後に見舞いに行くと、残り三分の一ほどのところまで読んでいて、「もういいだろう」と訊かれ、感想を聞かせてくれました。
その言葉の意味は、最後までは読まなくていいだろうという意味です。その作品は、癌ではありませんがある病気が進行していく話です。
「最後まで読んでよ」と応じました。
人の状況を思いやらない、つくづく自分勝手な人間だと思います。 〈以下次号〉
藤岡さんの、「SAPIX特別教育対談」のお知らせです。
藤岡さんの講演会のお知らせです。
藤岡さんが『僕たちは我慢している』を語ります。
讀賣新聞文化面に取り上げていただきました。
佐藤亮子さんに推薦していただきました。

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