小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、ウォーキングの途中で撮った今朝の富士山です。
二十代前半のお子さんがいる方から、「うちの子は、四百枚、五百枚ある小説を読み通せないんじゃないか」とお聞きしたことがあります。
おもしろい小説なら千枚でも、読み終えるのが惜しいぐらいに夢中になれます。ただ、小説好きでも、その小説の世界に入るまでは少しの辛抱が要ります。
読者は、読み進めるにあたっての依って立つ足場が早くほしいのです。ちょっとした刺激には不自由のない世の中で、読者を引き込む冒頭は大事です。
そのためのテクニックが、「針と返し」です。
上州屋さんには売っていません。ネットで検索しても出てきませんが、日本人がいちばん好きな小説とされる漱石の『こころ』には、刺激が遥かに少なかった時代故か冒頭からとは言いませんが、上中下三部構成の「上」にはふんだんに使われています。
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