小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、気に入っているすぐ近所の樹木です。
戦後ちょうど80年のこの日に、一枚の写真のことを書きます。
有名な写真です。2017年の末にローマ教皇フランシスコが「戦争がもたらすもの」として世界の教会に配布するように指示を出したとニュースで知ったとき、深く首肯しました。
「焼き場に立つ少年」です。
1945年にアメリカの写真家が撮った、頭が後ろに仰け反っている弟の亡骸をおんぶ紐で背負い、唇を引き結んで背筋と手を伸ばして直立する十歳ほどの少年です。
十年前、その写真を初めて見た時、胸が塞がりました。
息子が二人いるので、彼らが幼いときだったらと考えてしまったからです。
我が身に置き換えてというのは、想像力としては大したことないと思います。
藤岡陽子さんの書下ろし長編小説『僕たちは我慢している』には二人の魅力的な母親が登場します。その一人、穂高恵理香さん。彼女にも二人の息子がいます。彼女は、もし仮に写真が「焼き場に立つ少女」で、弟か妹の亡骸を背負っている少女でも、心の痛みに違いはないでしょう。
我が身に置き換えなくても想像力が十分に働くのが、大きな愛のある人間です。
とにもかくにも、この地上から戦争を根絶させたいと願わずにはいられない「写真」です。
同じ役割を担う、読み出したらやめられない小説が藤岡陽子さんの『晴れたらいいね』です。
藤岡さんが『僕たちは我慢している』を語ります。
讀賣新聞文化面に取り上げていただきました。
佐藤亮子さんに推薦していただきました。

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