「週刊COMPASS」第176号

小説復興・文藝復興を真剣に目指していますが、ソメイヨシノにいつも先を譲るカンザン、今朝です。

「大正の末に生まれて、真珠湾攻撃の時に18歳だった母が昔を振り返って言います――『なんであの戦争を止められなかったかとあなたたちの世代は言うけれど、誰もがその気になっていたんだから止められるわけがないでしょう』」  

アメリカ同時多発テロから半年後に刊行した、池澤夏樹さんの『新世紀へようこそ』 のオビ表4に載せたネームです。

「誰もがその気」の目的語は違いますが、現在の「国民の人気を集める」という 高い「支持率」にどうも違和感を覚えます。いや、むしろ危惧感です。

同盟国の大将、乱調が甚だしいです。

このまま巻き込まれていくかもしれないのか、真の自主独立を選ぶのか、正念場のような気がします。

未来永劫日本を守り、世界の平和に貢献できる国であり続けられるのは、核を持つことでも同盟に縋ることでもなく、類い稀なる平和憲法を遵守することではないのでしょうか。

資源を持たない火山列島に暮らし、原子爆弾二つを落とされ、多様性を受け入れられる、八百万の神としてあらゆるものを敬う国民性。世界から一目も二目も置かれる国であるのはどうなんでしょう。

それではお隣の3国に、侵略されてしまうと思いますか。

藤岡陽子さんの書下ろし長編小説『僕たちは我慢している』(COMPASS)で奮闘する4人の高校生、その一人・香坂淳平君は周囲から一目も二目も置かれています。高校生にして、彼には大きな愛があります。愛に勝るものなどありません。

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